名前は「海に面した舞台(ぶたい)」から来ています。「海ブタ」は富山県・魚津港の岸までわずか20m近くにあるイベントスペースです。海に向かって大きく窓が開いて、富山湾と対岸の景色を見ながら、自由な空間をつくり出すことができます。
100人~150人程度の客を収容できる広さがあります。備え付けのイスなどありますが、どちらかというと、設備は持ち込みで、自由にレイアウトを作っていただくのに適しています。
もともとは、舟に関する仕事をしていた倉庫でした。あまり使わなくなっていたところを、海の景色の良さをみんなに共有したいと思うところから始まり、2017年にリノベーション工事を始めて今の形となりました。
運営会社は、魚津で70年間、仕事をしている建設業者です。「海ブタ」は地元企業としてまちづくりへの意識から取り組みました。自主企画もおこなっていく予定ですが、それ以上に、地元の人たちがやりたかったコトを形にする場所として、使っていただければと思っています。
運営会社: http://nihonkai-dengyo.co.jp/
魚津市について
魚津市は、日本の北陸、富山県の東部に位置する小さな市です。意外と古い歴史があり、西暦700年代(飛鳥時代)に都から来た行政官の記録が残っています。また同時期に諏訪大社(長野)から勧請された諏訪神社は現在まで維持され、毎年夏に開催する伝統の祭り「たてもん」の拠点となっています。海から起こる歴史・文化を、今に伝えるまちなのです。
また、魚津を含む富山県東部は、海から山までの距離がとても近いことが特徴です。春になれば山の雪解け水が、冷たいまま海に流れ込みます。蜃気楼などの自然現象や、種類豊富かつ美味しい富山湾の魚は、この雪解け水の効果によってもたらされるとも言われています。
魚津市には、大きなショッピングモールも、イルカショーも、雄大なお城もありません。すべてがミニマムです。しかし、それで良いと思います。ここは観光客であふれかえるよりも、静かに、マイペースに暮らしを楽しむ人たちの、慎ましい都市であるべきです。
もっと遊び心を!
慎ましければ良いと言いましたが、行きすぎるのも考えものです。実のところ、魚津市に弱点があるとすれば、「遊び心」を受け入れる余裕が足りないところです。
堅実な北陸人の風土が勝ちすぎ、ムダや浪費につながる遊びはあまり喜ばれません。しかし、有意の人を集め、新しいことを生み出す「都市」としてありたいならば、「遊び」「遊び心」はとても重要なファクターです。
若い人たちは、魚津のまちに魅力がない、といって外に引っ越していきます。行き先は東京や金沢、大阪といった大都市です。
県や市の行政は、若者のためと言って文化や教育に力を入れますが、功を奏しません。はっきり言えば行政施策には、人の自由の根源とも言える「遊び」への理解が足りなさすぎるのです。このことは「まちづくり」という観点で考えるとなんとかすべき問題ですが、どうも行政が解決できるのは、遠い未来のような気がします。
この問題に企業としてなにができるか?考えて、浮かんできたのが、「海ブタ」のコンセプトでした。
「海ブタ」は、ある種の実験場です。地域に住む人びとが、自らの手で作り出した何かを発表したい、販売したい、新しい風を起こしたいという時に、使っていただく場所です。
何かちょっとしたコトをやりたいと思った時、自宅でやるには難しい、気恥ずかしい、公共の施設で断られた、ホテル等は会場費が高い…等々、あきらめた経験はありませんか? 良い場所があれば、再挑戦してみようとは思いませんか?
友だちと歌や演奏を楽しむパーティを開きますか?
工作・プラモデルなど自慢の作品を持ち寄り、鑑賞会を開きますか?
自主制作の映画や演劇を発表しますか?
広い画用紙を広げ、子どもたちにめいっぱい落書きをさせますか?
どのようなことでも、まずはご相談ください。
ご利用いただく上での条件は、シンプルです。
利用料がかかります。(1日4万円/半日2万円、その他オプション料金あり、詳細は別記)
利用される方が準備から片付けまで、ご自身で責任をもって完了ください。
ご近所迷惑となる使い方(爆音を出す、夜どおしの利用など)は認められません。
違法行為や、反社会活動等に関連した利用は受け入れません。
ほかにもありますが、大事なことは上の4つです。
「海ブタ」はまちなかにあって、港町なので、住む人の生活は朝も夜も早いのです。何でもありではなく、その場の暮らしと営みによりそった施設でなければならないと、私たちは考えています。
管理者としては、この「海ブタ」ができるだけ自由な、現代の「むら広場」であるようにと願っています。広場であれば、本来は誰が来て何をするのも自由です。
しょうしょう難しい話をすれば、この施設は、民間企業である私たちが「公益」、つまり町や地域のためになることをしたいとの思いから来ています。しかし、その公益へかける思いは、自分たちのためでもあるのです。だって、町が衰退したら、会社はそこでやっていけませんからね。
「海ブタ」という場所であなたがおこなうことは、あなた自身や、あなたの友人のためのものであって良いのです。そのことに文句を言われる筋合いはありません。
ただ、なにかが起きている、その賑わいこそが町に大事なものだと考えます。
あなたのやることが「遊び」や「趣味」、例え身勝手な動機で始めたとしても、それは人がいて、血が通った証です。それだけでこの町に活気が吹き込まれる、1つの「公益」であると思います。
あなたのやることは自分のための「楽しみ」でありながら、社会とつながっていけるのです。「海ブタ」はそのようなことが実現できる空間でありたいのです。