15/09/2021
水耕栽培で使用する液肥の濃度管理のためECメーターを作成します。取得したEC値をネットワークを介してPCやスマートフォンで管理できるようになります。例えば、水耕栽培でよく使われる「ハイポニカ液体肥料」の商品説明には、500倍に薄めて使用するように指定があります。当初作成するときは良いのですが、蒸発した液肥を補充したり、雨水が混入して薄まった場合などは濃度を計測する必要性が生じます。ECメーターは安価に販売されていますが、データの蓄積や遠隔地での監視を行うため、ESP32で値を取得できるようにECメーターを作成します。 このページは、【講座】水耕栽培入門-自動制御装置で作る手間いらずの水耕栽培システム【講座】Arduinoで10種類のセンサー・アクチュエーター・LEDを制御の追加情報を記載しています。以下のシステム構成の内、赤線部分を作成します。 水耕栽培とEC(電気伝導率) 液肥の濃度管理と電気伝導率 電気伝導率を測定し、溶液中の電解質成分量を求めることで、液肥の濃度を測定することができます。電気伝導率は物質中における電気伝導のしやすさを表す物性量で、単位はジーメンス毎メートル(S/m)です。「農学分野においては肥料濃度の目安として用いられるが、この場合は英語の頭文字をとり、「EC濃度」もしくは単に「EC」と呼ぶことが多い」とのことで、単位も、「肥料濃度を表す場合は単位が大きすぎるのでミリジーメンス毎センチメートル(mS/cm)が用いられる」そうです(ウィキペディア「電気伝導率」)。例えばハイポニカ液体肥料は、250倍に薄めた濃度が2.4mS/cmに設定されているようで(複数のサイトで記載されていることを確認したのですが、原典見つけられていません。)、この数値を基準に濃度の管理をすれば良いことになります。 電気伝導率の測定原理 電気伝導率の計算とセル定数(電極定数) 電気伝導率κ(カッパ)は、2個の電極を電解質水溶液に浸した場合の電極間の電気抵抗の逆数で示され、以下の式で求めることができます。電気伝導率(κ)= 電圧(E)/電流(I)xセル定数(電極定数)(k)セル定数は電極面積、電極間の距離によって求めることができますが、作成した電極の面積や距離のばらつきが大きく計算が困難なため、電気伝導率の分かっている標準液(塩化カリウム溶液)の電気伝導率を測定することで決定します。 温度補償 水溶液の電気伝導率は温度により変化します。水耕栽培の環境において、液肥を常に一定の温度に保って計測することは現実的に困難ですので、あらかじめ定めた温度(通常25℃)における電気伝導率に換算します。以下の式で換算することができます。25℃の電気伝導率(κ25)=t℃の電気伝導率(κt)/(1+温度係数(α)(温度(t)-25))温度変化による電気伝導率の変化量は水溶液の種類(イオン成分や濃度の違い)により異なりますが、温度係数は一般的に塩化カリウム標準液の2%/℃が使用されます。 <参考>電気伝導率の測定は、JIS K 0130「電気伝導率測定方法通則」にて標準化されています。また、電気伝導率の説明とその測定は以下の資料に詳しく説明されています。「導電率測定についての基礎知識」 Arduinoを使用して電気伝導率を測定する Arduinoを使用してECを計測する方法が"Three Dollar EC - PPM Meter "に紹介されていましたので、今回はこちらのページを参考にします。 測定の仕組み(参考ページの概要説明) 電気伝導率の測定 電極を水溶液に浸し電流を流して抵抗値を測定することで電気伝導率を求めます。下図のように、水溶液と抵抗で分圧回路を構成し、Voutの電圧を測定することで水溶液の抵抗(Rc)を逆算することができます。 セル定数 セル定数は電極の大きさと距離によって変化します。自作するとセル定数を求めるのが大変なため、参考ページでは電気プラグを採用しています。 温度補償 温度補償のために外付けの温度センサーを接続します。 直流で計測する工夫 電気伝導率を直流電流で測定すると、分極という現象が発生し、正確な値が測定できないだけでなく、電極を痛める原因にもなります(参考:電気伝導率計の原理と応用)。交流で測定する場合、回路が複雑化するため、参考ページ...
水耕栽培で使用する液肥の濃度管理のためECメーターを作成します。取得したEC値を