21/10/2024
京都市職員向けに不定期に発行しているCROレター(11月18日付け)です。
「開発」と「発展」「成長」~問われる内容~
総選挙が始まりました。国の目指すべき方向や私たちの暮らしの在り方について、全ての国民が当事者意識を持ち、自らの課題として投票行動に臨みたいものです。
< SDGsにおける「開発」の意味 >
さて、今回は、基本に戻っての話題になります。
SDGs(Sustainable Development Goals)は、「持続可能な開発目標」と和訳されていますが、Development という言葉を「開発」と訳してしまうと、まるで海を埋め立て、山を切り崩すよう
な誤解を招きやすいことは、常々指摘しているところです。
Developmentには、開発以外にもいくつかの意味がありますが、私は少なくともSDGsに関する限り、Developmentは、「発展」や「成長」と訳した方が良いと感じています。
そもそもSDGsという国際目標が採択された背景として、経済成長、環境保全、社会的包摂をいかにバランス良く進めていくかが課題となっていることは、ご承知のとおりです。
少なくとも、経済成長そのものは否定されていないとしても、従来の環境保全や社会的包摂を蔑ろにした「経済成長一辺倒」の取組は、厳しく戒められていると考えるべきでしょう。
その意味では、仮にDevelopmentを「開発」と訳すとしても、それは自然環境の開発ではなく、持続可能な「システムの開発」と考えるべきではないでしょうか。
同時に、それ以上に重要な問題は、「何についての持続可能性を求めるのか」という点です。
つまり、今、生きている私たちや私たちの周囲の社会、さらには人類だけでなく、すべての生物、水や空気を含めた地球環境の持続可能性、つまり生物多様性を尊重し、地球環境への負荷を軽減
するといった目標も当然、包含されている筈です。
また、そこに生きる一人一人の人間が、まさに「持続可能な社会の担い手」に相応しい存在として成長できる環境かどうかが問われているのではないでしょうか。
< 持続可能な社会の実現を踏まえた「都市の成長」とは >
昨今、社会のあるべき発展の姿、都市の成長戦略が、様々な機会に検討されています。そこで掲げられている発展、成長が、経済成長に過度に依存した方向に陥ってはならないことは勿論のこと
ですが、人口減少社会という現実の前で、単に委縮した縮小社会を受容するだけでなく、経済状況そのものは右肩上がりでなくても、市民生活は充実した「縮充社会」、あるいは、経済そのものは定常的にとどまっているが、必要な公共福祉やインフラ整備は進められる「定常型経済社会」も次世代社会のモデルとして検討されてしかるべきであるように感じます。
そうした未来予想図を構想する上で、レジリエンスのフィルターは、今後益々重要になっていくと確信しています。
CRO(レジリエント・シティ京都市統括監)藤田裕之